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高森明勅
2024.6.15 09:05皇統問題

皇位継承問題、最悪決着を押し戻す貴重なチャンスを活かそう

額賀福志郎衆院議長が前のめりになっていた
全政党·会派による全体会議が一先ず頓挫した。
その結果、今国会において有識者会議報告書の提案を
そのまま丸呑みするという、最低最悪のシナリオから
何とか脱することが出来た。
しかし勿論、次の国会で同じ結論に陥る虞れは
無くなっていない。

しかし一先ず、世論喚起·政界対策などに
力を尽くせる時間が僅かでも与えられることは、確かだ。
世論喚起の為には、メディアへのアプローチも大切だ。

メディアによっては信じ難いことながら、
いまだに政治の場で「安定的な皇位継承」への
真っ当な取り組みがなされているかのような、
誤った報じ方を平然としているのを見掛ける。
これでは世論も混乱してしまう。

メディアも最低限、当然自明かつごく初歩的な、
以下の認識は共有して欲しい。

「本来の課題は安定的な皇位継承。
しかし政府が設置した有識者会議は、その点について
白紙回答の報告書を書き上げた。
その上で、論点を勝手に“目先だけ”の皇族数の
確保策にすり替えてしまった。

国会でも、それをそのまま土台として筋違いの
議論しようとしている」ー。

メディアが間違った報じ方をした時は、国民が指摘しよう。

次に、皇位継承の安定化に些かも役に立たない政府提案の
皇族数確保策なるものが、2案ともいかに無理で
無茶な内容であるかを、政治家にも世間にも周知徹底したい。

分かっている人には改めて言う迄もない話だ。
しかし残念ながら、それがいかに非常識かは、
まだまだ広く一般には
知られていないだろう。
様々な発信を通じて、その異常さ·デタラメぶりを
繰り返し暴き立てることが、有効だろう。

しかも、それらの無理で無茶なプランは、
たまたまそうなっているのではない。
そうではなくて、皇位継承の安定化の為に
女性天皇·女系天皇を
可能にするという
“唯一の正解”を、数は少なくても声が

大きな男系維持派に配慮して予め除外しているからこそ、
殆ど正気を疑うような愚策しか導けなくなっている。

その本末顛倒の経緯が広く知れ渡るならば、
事態はより改善されるに違いない。

だからこそ政府及び国会内男系派は逆に、
国民が問題の真相に気付かないうちに、
拙速かつ強引に決着へと持ち込みたかったはずだ。
それが立憲民主党や有志国民の努力で一旦、蹉跌した以上、
この貴重なチャンスを活かさない手はない。

安定的な皇位継承への気運盛り上げを目指す
7月27日のイベントは、
その意味でまさに
うってつけのタイミングでの開催になりそうだ。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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